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With/Afterコロナ時代における法律事務所の成長戦略~離婚分野篇~


船井総合研究所 岩﨑恵

 緊急事態宣言が解除されて約1ヶ月が経過しました。地域差はありますが、徐々に新型コロナウイルス騒動以前までの日常を取り戻しつつあります。

 今回お送りするテーマは「With/Afterコロナ時代における法律事務所の成長戦略~離婚分野篇~」ということで、緊急事態宣言解除後の離婚分野の現状と、今後取るべき戦略という二項目でお伝えしたいと思います。

 

  1. 離婚分野の現状

  2. 4月の問い合わせは大きく減少、現在は回復基調に

4月6日までは、関東エリアを中心に緩やかな問合せ数の減少と面談のキャンセルが見られ、その後、4月6日の緊急事態宣言発令後は対象エリアにおいて問合せが著しく減少しました。そして、17日に対象地域が全国に拡大されると、それまで影響が出ていなかったエリアにおいても問合せが急減しました。下記に弊社のコンサルティング支援先の平均数値をまとめておりますが、4月の問い合わせは先月比で4割~5割減となっている事務所が多く、比較的自粛ムードが厳しい東京都の特に23区においては、3月と比較した時に4月の問合せが7割~8割減となっている事務所も出ています。

問合せ減少の特徴としては、パートナーが自宅勤務中などもあって同居中の方からの相談が特に減少しました。また、裁判所が閉まっていたこともあり、調停を申立てられてしまったなどの緊急性の高い問合せ、調停前段階の方からの相談や訴訟前段階の方からの相談が特に減少しています。

そして、緊急事態宣言後、すぐに電話相談やオンライン相談の打ち出しを行った事務所は面談誘導率の減少はあまり見られませんでしたが、打ち出しが遅れた事務所においては問合せの減少が著しかったということがあります。

受任件数については問合せ件数に伴って減少する事務所がほどんどでした。終了件数についてはほぼ発生していない事務所が多かったですが、日ごろから協議による事件解決に重きを置いている事務所では、そうでない事務所と比較すると、終了件数の減少幅が小さいという結果に至りました。また、調停になっている案件についても協議で解決できそうな案件については、相手の弁護士と連絡を取り合って協議で終わらせるという動きをされている事務所もございました。

5月のゴールデンウイーク明け以降は、いずれのエリアにおいても問合せが回復基調にあり、いわゆる“コロナ離婚”の問い合わせも発生しています。

 

  • 離婚のニーズは増加傾向に?

次に、離婚キーワードの検索ボリュームについて載せています。離婚のキーワードの中でも特に大きな変化があったキーワードが二つありました。「離婚 弁護士」キーワードと「DV 相談」キーワードです。

「離婚 弁護士」のキーワードは、離婚全般のキーワードの中でも特に問合せ確度・受任確度共に高くなるキーワードですが、その検索ボリュームが、1-3月平均の2倍以上という結果になっていました。ここから、世間の方の離婚に対するニーズが高まっている、ということが読み取れると思います。

そして、あまり取り扱いをされていない先生もいらっしゃるかとは思いますが、「DV 相談」のキーワードの検索ボリュームも1-3月平均の2倍以上となっておりました。このキーワード二つとも、昨対比でも2~3倍以上のボリュームとなっており、離婚したいというニーズ、DVについて相談したいというニーズが大きくなっていることがわかります。

  1. 離婚事務所が取るべき今後の経営戦略

今後の離婚分野の予測というところですが、検索ボリュームの増加からもわかるように、自粛期間によって醸成された新たな離婚希望者が加わり、問合せは増加する可能性が高く、実際に5月時点でリバウンド需要が発生している地域もあります。しかし、問合せは増加する可能性が高い一方で、不動産価格の下落や売買の不振により報酬金額が下がる可能性も高くなっています。また、離婚分野だけではありませんが、世間では新型コロナウイルスの影響を受けてリモートワークへの移行が促進されており、コロナ終息後もデジタルツールやクラウドを用いた業務処理体制への移行は加速していくことが予測されます。

これらを踏まえて、離婚事務所が今後実施していくべき施策は大きく二つです。一つ目は、電話相談とオンライン相談を継続して実施するということ、二つ目は、デジタルツールを活用して業務効率化を図るということです。

 

  • 電話相談とオンライン相談を継続して実施する

コロナ終息後も世間のオンライン化の流れは加速する可能性が高く、オンライン面談が標準化すると、商圏拡大が以前よりも容易になります。既に慰謝料の被請求LPを全国にリスティングを掛けている事務所も増えてきていますが、そのような動きが今後益々増えてくることを考えると、相談者が来所せずとも受任できるオペレーションを早くから構築しておくことが重要です。

  • デジタルツールを活用して業務効率化を図る

先述のように今後報酬金額の低下が予測されるため、経営的な視点から考えると、業務効率化を図り解決期間を短縮することで終了件数の増加につなげていく必要があります。昨年の中ごろから、離婚に注力する事務所様でもデジタルツールを導入して、業務効率化に取り組む事務所が増えてきました。これは、弁護士の人数規模に関わらず、弁護士1人の事務所でも導入を進めていらっしゃいます。

デジタルツールでできることの1つとしては、顧客管理から、案件の進捗管理、案件に紐づいた売上・預り金・タスク進捗等の管理をデジタルツール上で一括管理することが可能になります。

皆さんは現在どのような業務管理を行われているでしょうか。例えば、問合せはスプレッドシートやエクセルで管理して、受任した案件の進捗管理は紙ベースで行って、お金の管理は事務局が別の表で管理していて、…というように、管理ツールがばらばらになっていないでしょうか。デジタルツールを用いてこれらを一括管理することで、二度手間三度手間になっていた業務の解消ができ、案件の進捗共有や案件に紐づくタスクの共有をスムーズに行うことが出来ます。また、案件に紐づくお金の管理が簡単になり、着手金や報酬金だけではなく預り金や郵券の在庫管理なども行うことが出来ます。

そして、デジタルツールを導入して業務管理を一括で行うことが出来るようになった事務所が次に目指すステップとして、PM(プロジェクトマネージャー)モデルというものがございます。PMモデルでは、プロジェクトマネージャーという役割を設定し、そのプロジェクトマネージャーがデジタルツール上、全事件の進捗管理(次に誰が何をいつまでにしてくださいといった采配)を行います。そうすることで、弁護士から、進捗管理という業務が取り除かれ、1人で持つことができる案件を増やすことが出来、純粋に弁護士が行うべき交渉や初回相談に入るといったような業務に専念できるようになります。

 

以上のように、まずデジタルツールを導入することで、業務全体の効率を上げ、次にPMモデルというパラリーガルとの業務分担よりもさらに進んだ分業体制を目指す、という取り組みが、今後離婚に注力する事務所が取るべき経営戦略となります。

 

弊社では、法律事務所のデジタルシフトコンサルティングや各分野における業績アップのコンサルティングサービスを提供しております。

 

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